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紫外線について(爬虫類編)
光
太陽の光は、私たち人間に限らず、地球上のあらゆる生き物に“明るさ”や“暖かさ”など多くの恵みを与えてくれます。光は、その波長によってそれぞれの働きや特徴が変わってきます。一般的に、100nm~3000nmの波長を持つ電磁波が光と定義されており、私たちがふつう光と呼んでいるのは、目にすることができる可視光線をさしています。境界となる波長は、はっきりしているわけではありませんが、大きく分けるとその長さによって以下のように区分されています。
- 100nm~400nm:紫外線
- 400nm~700nm:可視光線
- 750nm以上:赤外線
今回は、これらの波長の中でも特にハ虫類に対して重要な働きをする紫外線についてお話をしたいと思います。
紫外線
紫外線は、上記の通り100nm~400nmの光をさします。紫外線の中でも波長の長さによって3つの区分に分けられ、それぞれ以下のようになっています。
- UVA(315nm~400nm)
- UVB(280nm~315nm)
- UVC(100nm~280nm)
それぞれの働き
- UVA
ハ虫類に与える作用に関しては、まだはっきりしたことは分かっていませんが、色素を沈着させたり、ハ虫類の脱皮促進の作用があるとされています。 - UVB
ハ虫類の皮膚には、コレステロールが変化してできた7-デヒドロコレステロールと呼ばれる物質があり、その物質にUVBが照射されるとプレビタミンD3ができ、最終的にビタミンD3が生成さます。ビタミンD3は、腸管からカルシウムを吸収するのを促進し、骨形成に非常に重要な働きをします。UVBにはビタミンD3生成の作用があり、ハ虫類が太陽の光やUVBを照射する照明器具によってUVBを受けられなくなるとカルシウム欠乏症などにおちいります。 - UVC
UVCには、殺菌作用やオゾンの生成作用があり、ハ虫類に照射することで病気になるのを防ぐ働きがあります。必要以上に照射すると、逆にハ虫類に有害になるので注意が必要です。
以上簡単にですが紫外線がハ虫類に対して与える影響を説明させていただきました。屋外でハ虫類を十分に日光欲をさせることができれば、紫外線を受けることができるので問題はないのですが、屋内で飼育しているとなかなかそうはいきません。最近では、紫外線を照射する照明器具が多く市販されているので、用途に応じてうまく利用して大切なペットを健康で丈夫に育ててください。