水草にとって
必要な光と照明の光の対比
水草は光と水と二酸化炭素を用いて成長(光合成)する。その光と水草の関係に関して着目してみる。
人が目にすることができる光は可視光と呼ばれ、波長が短い側から順番に紫、青、水色、緑、黄、橙、赤、いわゆる七色に分けることができる。光合成は水草の細胞の中に含まれる葉緑体と呼ばれる細胞小器官にて行われ、光はその中の色素によって吸収されている。色素にはクロロフィルa、クロロフィルbがあり、これらは紫~青領域(400~500nm前後)と橙~赤領域(640~700nm前後)の光を吸収する。
また、カロテノイドと呼ばれる補助色素もあり、同様に紫~青領域(400~500nm前後)の光を吸収する。
なお、緑領域の光(500~550nm前後)は光合成としては重要でない領域である(図2)。
ツインスターLEDは水草が光合成に必要な波長領域について非常によく研究されており、紫~青領域も橙~赤領域も十分に含まれている。
さらに、水草の成長には重要ではないが、水草を青々と美しく魅せる効果がある緑領域もある程度兼ね備えている(図1)。ツインスターLEDは水草の成長と鑑賞価値を最大限に引き出すためにLED素子配分を綿密に研究・設計された照明であり、このことは図1と図2の波長を照らし合わせることで明確に分かる。
- ツインスターLEDの波長(nm)(図1)
- 光合成色素が吸収する波長(図2)
余談だが水草、特に緑色の水草が非常に鮮やかに見える照明があったとする(この場合、赤色の水草がややくすむ傾向にある)。
これは本当に水草の健康美によって生み出された姿なのか、照明の緑領域波長によって誇張された化粧のような効果なのかは見極める必要がある。
(図1)S-Lineの当社による測定
(図2)「ホートン生化学」より参照
光を広範囲に
LEDは直線的な光であり、広範囲まで光が届きにくい点がある。
この点は水草育成においては、前景草がうまく育たなかったり、LED照明自体を複数設置する必要があったりと、一般的にはデメリットとして捉えられることが多い。
しかし、ツインスターLEDはフロスト加工(すりガラスのような)を施した樹脂製のパーツを組み込むことにより、広範囲まで光を届けることができるよう設計されている。
育成環境にもよるが、水量が多い60㎝水槽(奥行45㎝、高さ45㎝)ではS-LINEを1灯、標準的な60㎝水槽(奥行30㎝、高さ36㎝)ではE-LINEを1灯が、グロッソスティグマが育つ目安となる。
シンプルな機能美
ツインスターLEDは、近年のLED照明の常識ともいえるタイマー・リモコン機能が非搭載、波長の調整機能も非搭載、それどころかON/OFFのスイッチまでもが省略されている。
しかし、本当にこれらの機能は必要なのだろうか。「水草の成長と水景の鑑賞」、「器具自体の意匠性」。とにかくこれらを究極的に突き詰めた結果がツインスターLED。一見、尖った商品にも映るが、考え方が本質的かつシンプルだからこそ、飽きも来ない。ツインスターLEDを選んで頂いたお客様に最高の機能美を堪能して頂きたいと願う。